2007-01-01から1年間の記事一覧

洋瓜

はじめに この作品を、親愛なる物書きブログ仲間のめろんさんに捧げます。 今朝は、いつもより早く家を出た。と言っても、時計の針が既に十時を差している。 毎朝ラッシュに揉まれ、今頃は忙しく働いている社会人の皆様から見れば、わたしら学生は良い身分で…

血塗られた封印の城 第四章(3)

その夜、ルーシアはベッドに潜りながらも、中々寝付けないでいた。 結局帰ってこなかったマリーナ。ローレルは、学園長の家に泊まると言っていたが……。 明日に控えた学園祭。はたして彼女は来るのだろうか? そして、未だ何の手掛りも掴めていない高額賞金首…

怪盗リュヴラーヌの挑戦 ~その後~:akaoni画

どもども、さるです。 この度はさるのわがままなリクエストで、akaoniさんに「怪盗リュヴラーヌの挑戦」の作中イラストを描いて頂きました♪ 場面は、事件後に役所を出た辺りですね。 ルーシア達のようなギルドのハンター(賞金稼ぎ)は、捕まえた賞金首を最寄…

猫語バトンだでにゃ!

どもども、さるで……はにゃく、我輩はにゃんこざるであるにゃ(何) 今回はいつもお世話ににゃっている沙羅さんより『猫語バトン』を頂きましたにゃ。 沙羅さん、どうもありがとうございますにゃ! 沙羅さんにょブログはこちら →空と大地の小説 皆様(みにゃさま…

血塗られた封印の城 第四章(2)

「え、まだ帰ってきていないの?」 夕刻、というには余りにも昏(くら)い紫がかった秋の空。 坂沿いにある他の家々と違い檜の柱に支えられた屋根のある女子寮の玄関先で、寮長のローレルが出迎えてくれていた。その彼女にルーシアは、今朝授業を抜けて以来姿…

血塗られた封印の城 第四章(1)

第四章 それは、紅月(こうげつ)の夜祭で…… 光が、瞬いていた。 それは、とてもとても紅い光。宵に映える真紅の妖光。 「お父様、ほら見て。あたくしが作りましたのよ」 その少女は、実に良くできた子だった。 男もまた、そんな娘を愛(いつく)しみ大切に育て…

ちーちゃんは悠久の向こう(日日日 著)

ども、さるです。 霜月に入り、流石に冷え込んでまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 さて今回から「愛読書用」に書庫を新しく設けることにしました♪ですのでタイトルの方も、頭に「さるの愛読書」を付けずに「本のタイトル(著者)」にすることに…

ここ数日の「おさる草紙」について……

皆様、お早うございます。 お天気レポーター?のサルマワシです(誰) 今朝は関東から九州まで所々雨が降ったりしている様ですが、皆様如何お過ごしでしょうか? さて本題ですが、ここ数日「おさる草紙」を3本更新しておりました(正確にはもう1本幻の作品が…

「怪盗ボヤキーヌの挑戦」より小火木麻奈:akaoni 画

どもども、さるです♪ いつもご愛読いただいている皆様、どうもありがとうございます! そして今回、またまたイラストを描いて下さったオニさん! さるはもう、感謝の気持ちで一杯です。 そこまで、ウチの小火木に愛を注いで下さるなんて!!(泣笑) そして、イ…

ディーネの神殿

石碑には、こうあった。 天(そら)の王が目覚め、金色の光が降り注ぐ刻、虹の門が現れる。 門を潜り惑わされることなく神殿へとたどり着けば、そこに眠る世界の鍵を手にするであろう。 深緑の森が眠っていた。音無き音は、鼓膜を突き刺すほどに鋭く冷たい。 …

今日は晴れ晴れ♪

どもども、さるです(@ ̄∇ ̄@)/ いやぁ、ようやっと晴れましたねぇ~ 何て洗濯日和なんざんしょw さて折角なので、今日は毎年恒例の神田古本市に出向こうと思います。 昨日一昨日と雨続きで結局今日しか行くチャンスがないので、思う存分満喫していくつもり…

怪盗ボヤキーヌの挑戦

今宵、『やっつんのお菓子』を戴きます。怪盗ボヤキーヌ―― それは、一通の予告メール……ていうか、何このチェーンメール? いきなしこんな意味不明なのを送られた日には、俺は一体どうすればいいというんだ。 送り主については予想通りというか、最早メールア…

紅き夜の狼

男は、ただ黙ったまま辺りを見渡した。 樫の木のテーブルの上に散乱した何かの資料。 ぞんざいに置かれたビーカーやフラスコからは、鼻の奥を突き刺すような薬品の匂いがこびり付く。 資料を見ると――これは何かの術式か、それとも設計図って奴か? それは、…

血塗られた封印の城 第三章(12)

「ルーシーさん……」 食堂から北校舎へと続く渡り廊下を歩いていたルーシアは、後ろから掛けられた声に足を止める。 舞うように横なぎに揺れるツインテール。その視線の先には、長い黒髪を後ろで束ねた青眼の少女。 端正だが無表情でどこか掴みどころのない不…

実はもうすぐ一年……

どもども、さるです。 ええ、早いものでもうすぐ一年になります。 …………て「何が?」と申しますと………… もう直、 「血塗られた封印の城」執筆一周年!(何) なのですw 何というか、我ながら何と筆の遅いことよ……_| ̄|○il|li 昨日書きあげたばかりのお話で「ル…

血塗られた封印の城 第三章(11)

教室に響くチョークの音。半開きの窓の外からは、「ピッピッ」と笛の音が小さく聞こえてくる。 周りは静かなもので、誰一人として口を開く者は居なかった。生徒はおろか教師ですら。 ある意味で、それは異様な光景だった。 この造られたかのような静寂の中、…

血塗られた封印の城 第三章(10)

カザミヒナタ様より、挿絵を戴いちゃいました♪ さる 五年前、アマタニア―― 「ジークフレド・ヨハネハイム。十五歳か……」 難しい表情で学歴書を眺める老博士。机の上で、右の人差し指が忙しく音を立てる。 「中々成績優秀な子ですよ、彼は」 少年の隣で、まだ…

西のあくまのすまう山

夕ぐれの、真っ赤なお空がかがやいて、ぼくはまっすぐ山を見る。 ゴツゴツした石の山、まわりをかこむ黒いくも。 そこは、じごくの一丁目。 その名も、ずばり「でいもす山」 おしろの中でカンムリおじさん、モカ先生とおはなし中、なぜかぼくのかおを見てニ…

血塗られた封印の城 第三章(9)

「何故、あんなことを言ったの?」 校舎へと続く通用路を歩きながら、白い法衣の裾から香水の瓶を取り出すと、ミコナは3回身体に吹きかける。 「何故って何が?」 とぼけた口調で、アレスが返す。 「エリクソン博士よ。彼は『フェレスト師の後継』、『次期…

血塗られた封印の城 第三章(8)

授業の終わりを告げるベルが校舎に響く。 ちょうどそのタイミングで、後ろから「ガラガラ」と音を立ててドアが開いた。 「あ……来たんだ………珍しい……」 おそらくは彼に向かってなのだろうが、近づいても辛うじて聞き取れるかどうかといった程度の声で、黒髪の…

誕生日バトン

どもども、さるです。 さて今回は、無双さんから『誕生日バトン』を頂いちゃいました♪ 早速、さるの名もこの中に刻んでしまいたいと思います(@´∇`)ノ _______________________________________ 1月 1: 2: 3:…

血塗られた封印の城 第三章(7)

案内された部屋の中央、黒光りするソファに腰を下ろす二人。 座り心地は気持ちいいくらいで、気を許せばそのまま微睡(まどろみ)の中へと誘われてしまいそうだ。 しばらくして、珈琲の引き立った香がミコナの意識を呼び覚ました。 「失礼します」 見た目は二…

さるの愛読書――ドアーズⅠまぜこぜ修繕屋

ども、さるです。 さてさて、久しぶりですが愛読書紹介と参りますか。 今夜の一冊はこちら…… タイトル:ドアーズⅠまぜこぜ修繕屋 著者 :神坂一 イラスト:岸和田ロビン 発行元 :角川書店(角川スニーカー文庫) ジャンル:ファンタジーな感じのコメディー(何…

船長の名は……

船内で過ごして七日目、私たちは悶々とした日々を送っていた。 「いつまで、こんな所に閉じ込められなきゃならないんだよ!」 いつものように、ビルが騒ぎ始める。 「そりゃ、この船を出るまでじゃないの?」 彼をなだめるように、デービットがそれに答える…

血塗られた封印の城 第三章(6)

「何だ、あいつら?」 珍しく朝から登校してきたと思えば、始業前にすぐ教室を抜け出したカールスは、特にやる事もないので屋上へ向かおうとしていた。途中、職員室のドアの前で屯(たむろ)している見知らぬ二人組を見て、彼は怪訝そうに目を細めながら咥えた…

忘れた頃に、作ってみたり

ども、さるです。 相変わらず暑い日が続くかと思えば、鈴虫の声が聞こえ始めて俄かに秋の香が漂う今日この頃。 皆様、いかがお過ごしでしょうか? さて、感動のエピローグ(自分で言うなよw)から一ヶ月が過ぎましたが、そういえばスペラヴィアスに目次が無い…

スペラヴィアス 目次

それは、一つの「石」を巡る物語。 とある文献の記述には、こうある。 それを手にしたなら、如何なる難病もたちどころに完治し、老い衰えた肉体も精神も若返り、醜悪なるものに絶世の美を与え、望めば永遠の時をも手にするだろう 即ち、命の石 「石」の存在…

「第2回 ばうんてぃくえすと人気投票」開催決定!

さるです。 日に日に暑くなっていくこの時期、皆様如何お過ごしでしょうか? さて、お陰様で好評頂いております「ばうんてぃくえすと」ですが、感謝の意を込めて第2弾! というわけで(て何が?)、2回目の人気投票を断行いたします!(断行!?∑) 気になる…

血塗られた封印の城 第三章(5)

「理事長、ご無事で何よりです」 理事長室の扉を開けた先で彼を待っていたのは、学園長シャルロの出迎えだった。 昨夜の事件については彼女自身も少なからず関っていたためか、責任を感じて彼が到着するまで待機していたようだ。 「やあ学園長、心配を掛けて…

血塗られた封印の城 第三章(4)

白いシーツに包まり、一人天井を見上げる。 他に誰もいない室内で、マリーナは静かに時が過ぎるのを待っていた。 昨夜、自分を襲った黒い影。その影が今朝……遺体で見つかった? あの時、恐怖のあまり身が竦み、まるで金縛りにでもあっているかのようにベッド…