2015-01-01から1年間の記事一覧

今年も残りあと……

どもども、さるです。 今年もいよいよ残すところ、あと三十分を切りましたが、皆様、如何お過ごしでしょうか。 さてさて月並みではありますが、今年を振り返りながら綺麗さっぱり一年の禊を行い、新たな気持ちで新年を迎えたいと思います。 ではまず、この方…

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(95)

砂の渦は流れが激しく、あと一歩遅かったなら立ちどころに飲み込まれていたことだろうか。 その想像がよぎった時、フィオは全身から血の気が退いていくのを覚えた。 それをただの意思のみで引き起こした幼子を、文字通りバケモノを見るような目で凝視する彼…

今年観たモノ

どもども、さるです。 この所、寒さが一段と厳しくなりましたが、皆様暖かくしてお過ごしでしょうか。 さるは最近、蜂蜜入りカフェオレを愛飲してますね。 蜂蜜と一緒に飲むとぽかぽかする。蜂蜜にも、ぽかぽかしてほしい(何がだw) さてさて、今年はなんてい…

アレスくん

どもども、さるです。 外もすっかり肌寒くなりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。 さてさて、昨日の雑記で「リアルに籠っていました」などと書きましたが、その理由がこちら。 悪魔くん……ではなく「アレスくん」です。 アニメ版悪魔くんの格好をしたア…

歳の瀬ですね

どもども、さるです。 何だか随分とご無沙汰してしまいましたが、皆様如何お過ごしでしたでしょうか? さるは最近、リアルに籠りっ切りでした(何) いえ、リアルの世界に籠りっきりって事で……って和気サザエですね(誰だそれw) さてさて、来週のさるたま文庫は…

ばうんてぃくえすと 悲しみ誘う嫉妬の輪舞(18)

街は閑散としていて、先刻までの喧騒がまるで嘘のように静まり返っていた。 焼けるような潮の香りだけが、変わらず仄かに漂い続ける。 波が勢い良く波止場を叩き、真新しい板切れや太い丸太のようなマストとその破片が海面を泳いでいた。 あるいは、これから…

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(94)

風が舞った。 厚い石壁に覆われた暗闇の中で。 少女は深く瞳を閉じ、一つの抽象的な像を頭に描く。 それは――――天上に浮かぶ銀の方舟。 方舟とは、古の昔に『天の結界』を超えて宙(そら)の海を航(わた)ったという伝説上の乗り物のこと。 その方舟が意味する記…

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(93)

「な、何が起こってるね?」 周囲の異変に慌てふためく東方娘。 「冥府の門…………」 「何のことね?」 「…………そういう事でしたの……」 「だから、どういうことね?」 「博士は『あの子の力とピラミッドが関係ある』とおっしゃいましたわ。恐らくは、この建物こ…

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(92)

少女が出逢ったその子供は、しばし小首を傾げていた。 その仕草があまりにも愛らしく、彼女は思わず何かに突き動かされるようにその子を抱きしめていた。 少女曰わく、 「ぐふふ、あたいはショタもいける口デスよ」と―――― 翼がはためいた。 金色の光が粒子を…

あくまのやまのデミルタソ

おひさまニカニカぽっかぽか。 おそらはアオアオいいきもち。 もくてきちまで、あとすこし。あくまのやまは、すぐそこだ。 おっきなクロいギザギザおやま。どんよりくらい、くものした。 もうすぐ、もうすぐ、とうちゃくだ。 あるくのすこし、おそくなる。ガ…

ばうんてぃくえすと 悲しみ誘う嫉妬の輪舞(17)

碧(あお)き闇が静かに佇む海辺の街。 まるで、後の惨劇を象徴するような水飛沫が、波音を立てて風に舞う。 血の如き紅(あか)に染まる夕空を背に、一隻の帆船を激しく揺らしながら。 「さあて、鍛え抜かれし鋼をも溶かす煉獄の炎にその身を焼かれるがいい!」…

昨晩のはなし

どもども、さるです。 だいぶ日差しも高くなって参りましたが、皆様、如何お過ごしでしょうか? さてさて、昨日(というか日付的に一昨日)のお話。 さるは最近某ゲーム製作部(仮)のアニメでお馴染みの路線を活用してますが、昨日はまさにその某花澤ボイスな闇…

曇り夜空に一つ星

「どういうことだ、説明しろ! こっちはこれから大事な約束を控えているんだぞ!」 年の頃は四十半ばといったところだろうか。あるいは五十過ぎか。 どちらにしろ、いい歳したオヤジが辺り構わず怒鳴り散らしている。 仕事なのだろうか余程大事な約束らしい…

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(91)

曰わく、かつて大陸中央で栄えた古代シュマエルの王は、世界の根源に至る叡智を閉じ込めた次元の扉を開ける事が出来ると云われる『精神世界の鍵』を持っていた。 曰わく、極東にある伝説の島に万物を統べる神の秘宝が眠りし倉があり、一度取り出せば世界を自…

深き闇よりもなお暗きあとがき

どもども、さるです。 春は光陰が如く過ぎ去り、すっかり夏日な今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか? さてさて、『ミステリーサークル』シリーズも今回で五作目を迎え、今回は『おさる草紙』としても初の前後編でお送りしました。 もうこのシリーズ、い…

赤き闇

どもども、さるです。 空を見たら赤々と鮮やかに染まっていたので、思わず撮ってしまいました。 実は撮る前がもっと赤みがかってて、なんとなく「黄昏よりも昏き者」「血の流れより赤き者」とはコレだったのか、と一人で勝手に盛り上がってました(何の話だ) …

深き闇より出でし者(後編)

「なんぞこれぇぇぇぇぇぇ!」 それを目の当たりにしたレノンの眠気が一気に覚め、驚愕の声を発した。 それは、吹き上がる水蒸気と硫黄の臭いを伴う熱湯。まさに奇跡としか言いようの無い光景。 そう、煉瓦を敷き詰めた校庭のど真ん中に温泉が沸いたという怪…

深き闇より出でし者(前編)

それは、ある午後の出来事だった。 「あ、あれ? 確かここに置いていたのに……ど、どうしよう…………ぱ……パパに怒られる!」 いつものように食堂から教室へと続く廊下を渡り、途中にある物理研究室へと立ち寄った彼女は、そこで悲痛な呟きを洩らした。 眼前には…

ばうんてぃくえすと 悲しみ誘う嫉妬の輪舞(16)

少し離れた場所で、彼女は戦況を見守っていた。 その隣で少しばかり癖のある白金の髪(プラチナブロンド)を弄くりながら、どこか哀れんだ様子で彼らを眺める少年が一人、小さく溜息を吐く。 「何してるの、そんな溜息なんて吐いている暇あったら早くあの子を…

新シリーズ「ミス・ペンドラゴンの寓話」

どもども、さるです。 四月も半ばを過ぎ、桜もすっかり散ってしまいましたが、皆様如何お過ごしでしょうか? さてさて、春ということで新たな作品を執筆しましたので発表します。 題して、 ミス・ペンドラゴンの寓話 タイトルでお気付きと思いますが、今月『…

桜は知っている

桜は知っている ~ Who Concealed Cock Robin ~ Written by Miss.Pendragon 月光に彩られた宵の桜。 その下で、誰かがせっせと土を掘る。 知らず知らずと暗がりに紛れ、その人影が小さな皮袋らしき何かを埋めていた。 「ああ、私の可愛いロビン、なんて姿に…

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(90)

『そう、この中で魔道学が必要となる唯一の要素、それは傀儡巨兵(ゴーレム)の操作法、つまりは精神制御の技術ですよぉ』 傀儡巨兵(ゴーレム)――――それは、創造主(マスター)の命令に従う意思を持った人形。 『魔道学は心理、思想、信仰などの精神世界の鍵(サイ…

日常の合間の非日常

へえ、最近の洗剤ってナノ洗浄がデフォなんだ………… やたらおしゃれなデザインのシャープな容器を眺めながら、俺は徐にそれをカゴに放り込む。 「えっと、あとは……」と、ポケットから紙切れ一枚を取り出し、そこに書かれた内容を一瞥する。 にんじん、ピーマン…

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(89)

少女は今し方聞いた博士の言葉を反芻する。 確か、博士はこう言いましたわね。 錬金学や風水学でも可能だと。 同じ「現象」を起こすのに必ずしも同じ「技術」を用いる必要はなく、それぞれの「法則」に基づいてその振る舞いを生じさせる「理論」を構築する事…

月を喰らう獣

月を喰らう獣 ~ Lunar Eclipse ~ written by Miss. Pendragon 白銀に満ちたる円月が、夜の闇を仄かに照らす。 今宵も早く世界は美しい幻想に包まれていた。 そこは静かなヤドリギの里。 古城(キャメロット)へ続く道の滸は大草原、奥に広がる泉の森への玄関…

川辺の夜桜

都内某所の河川にて。 どもども、さるです。 何かが始まる予感に胸躍る季節、皆様如何お過ごしでしょうか。 さてさて、そんな春の雨上がり、さるは東京へと足を運んでみました。 とある街道沿いの河川で桜並木が続いているのを見つけて歩いていくと、程なく…

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(88)

ふと見上げる彼女の頭上に新たな疑問符が浮び上がったその時、 『あぁ、あの子が件(くだん)の「魔女」ですかぁ?』 いつもの間延びした声で博士が話し掛けた。脳内で……… 「ええ、そうですけど」 『なるほどなるほどぉ~』 「何が『なるほど』なんですの?」 …

ばうんてぃくえすと 悲しみ誘う嫉妬の輪舞(15)

いつからだろうか、どす黒い感情の海の底の闇の奥でひっそりとその魔獣が目を覚ましたのは。 初めて「それ」に気づいたのは、その髪の色が周りと違うということを強く意識した時だった。 生れ落ちた瞬間から決して幸福とは無縁の世界に身を置いていたが、不…

鬼面の男(1)

鬼面(きめん)の男 北の夜空は、透き通るように蒼く冷たい。 金剛石の如き眩い星々の満たす宵闇は、穢れ切った己が心すら清めてくれそうに思えた。 「随分と遠くまで来ちまったな…………勝兄(かつにい)」 思えば、この身は血に塗れ過ぎた。それも、どす黒い俗世…

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(87)

「えっ!?」 「あいやっ!」 「あれー?」 "三つの声"が同時に漏れた。 時同じくして、轟音が響く。 文字通り鉄壁の守りに阻まれ、砂鉄の剣が見事に砕け散った音だ。 「なにゆえ?」と首を傾げる魔女(ユノ)。 「まさか、この法衣(ローブ)……」 『あ、気付い…