二、旅籠(いとま) 娘は、齢の頃は十七、八。艶やかな江戸紫の髪と、少々釣りぎみな緋の瞳を宿した眼が印象的な愛想の良い少女だ。彼女が奉公に来たのが十三の頃で、それまでは参道沿いの夜坂下(やさかした)という所に住んでいたらしい。薄桃色の小袖から覗く…

※この物語には一部Ｒ１８指定な表現があるかもしれませんので、ご了承ください やつおたにもゆ 暁は我妻に顔を覗かせて、霞の空を薄く照らす。 ワダツミの眠りを妨げ、ほのかに朱く染まった明けの空を冷たき風の息吹きが通り抜ける。 「はぅっ……」 純白の海…

針だ。まず、それが床に落ちていた。 何かの液体が付着したのか、先端の欠けたそれの周りは小さく染みになっていた。その先には―― 私、そう私だ。 床の上に大きく横たわっている私の姿がそこにあった。 ん、何か違和感がある。 そうだ、なぜ私の目の前で私が…

どもども、さるです。 オリンピックやら雪やらで何かと騒がしい一週間でしたが、皆様如何お過ごしでしたでしょうか。 さるは相変わらず仕事以外は創作に没頭しておりました。まったく、気ままなものですね。 さてさて週末のさるですが、明るい内にちょっくら…

どもども、さるです。ご無沙汰ですね。 先週は、黒船を作って「ぬーよーかー」へ……行ってませんね(何) そんなネタはさておき。 最近は執筆とか、さるの「中の人」の都合で中々ネットに参上出来なかったりします。 まぁ、なんとか月一の方は仕上げたいもので…

どもども、さるです。 立春も過ぎて暦の上では春になりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。 さてさて、コラボ小説の原稿も、ぼちぼち進めていこうかと考えている今日この頃。 気がつけば、今年はまだ一度も「ばうんてぃ」を更新しないまま一月過ぎてしま…

積雪の 白粉取れて 恋し花 とびら どもども、さるです。 なんだか恒例となりましたとびらさんの句ですが、さるにはさっぱり意味不明だったりします(何) どなたか解る方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひコメントで解説を……(待て) ではでは、今宵はこの辺で♪ …

どもども、おはようございます。さるです。 今朝はどこもかしこも雪に覆われて、屋根を真っ白に染めた家々が軒を並べています(￣▽￣＠) そんな道すがら、少し雪を被った風情のある(？)石段を見かけまして、写真におさめてみました。 ですが、この階段……実は…

どもども、おはようございます。さるです。 二月になりましたね。月日が経つのも、早いものです。 さてさて、『雑木林本店 通信所』のカザミヒナタさんとのコラボ小説「やおよろず夜伽話 壱之章」が始まりましたが、早速コメントを頂きましてどうもありがと…