2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

船長の名は……

船内で過ごして七日目、私たちは悶々とした日々を送っていた。 「いつまで、こんな所に閉じ込められなきゃならないんだよ!」 いつものように、ビルが騒ぎ始める。 「そりゃ、この船を出るまでじゃないの?」 彼をなだめるように、デービットがそれに答える…

血塗られた封印の城 第三章(6)

「何だ、あいつら?」 珍しく朝から登校してきたと思えば、始業前にすぐ教室を抜け出したカールスは、特にやる事もないので屋上へ向かおうとしていた。途中、職員室のドアの前で屯(たむろ)している見知らぬ二人組を見て、彼は怪訝そうに目を細めながら咥えた…

忘れた頃に、作ってみたり

ども、さるです。 相変わらず暑い日が続くかと思えば、鈴虫の声が聞こえ始めて俄かに秋の香が漂う今日この頃。 皆様、いかがお過ごしでしょうか? さて、感動のエピローグ(自分で言うなよw)から一ヶ月が過ぎましたが、そういえばスペラヴィアスに目次が無い…

スペラヴィアス 目次

それは、一つの「石」を巡る物語。 とある文献の記述には、こうある。 それを手にしたなら、如何なる難病もたちどころに完治し、老い衰えた肉体も精神も若返り、醜悪なるものに絶世の美を与え、望めば永遠の時をも手にするだろう 即ち、命の石 「石」の存在…

「第2回 ばうんてぃくえすと人気投票」開催決定!

さるです。 日に日に暑くなっていくこの時期、皆様如何お過ごしでしょうか? さて、お陰様で好評頂いております「ばうんてぃくえすと」ですが、感謝の意を込めて第2弾! というわけで(て何が?)、2回目の人気投票を断行いたします!(断行!?∑) 気になる…

血塗られた封印の城 第三章(5)

「理事長、ご無事で何よりです」 理事長室の扉を開けた先で彼を待っていたのは、学園長シャルロの出迎えだった。 昨夜の事件については彼女自身も少なからず関っていたためか、責任を感じて彼が到着するまで待機していたようだ。 「やあ学園長、心配を掛けて…

血塗られた封印の城 第三章(4)

白いシーツに包まり、一人天井を見上げる。 他に誰もいない室内で、マリーナは静かに時が過ぎるのを待っていた。 昨夜、自分を襲った黒い影。その影が今朝……遺体で見つかった? あの時、恐怖のあまり身が竦み、まるで金縛りにでもあっているかのようにベッド…

血塗られた封印の城 第三章(3)

授業中に歩く廊下は静かなもので、教室は壁という結界に隔たれた別空間のようだ。人の気配も、その別空間に一気に押し込められている。 ルーシアは、歩きながらそういう不思議な感覚を楽しんでいた。 ボクと同い年ぐらいの子達は、この時間はいつも皆で勉強…

電波系アイドル挿絵:akaoni画

アカオニさんから、素敵なイラスト戴きました(≧∀≦) おサル草紙(読みきり短編)『電波系アイドル』の小火木麻奈とやっつんです♪ 読みきりなんで、まさかイラスト描いて頂けるなんて思ってもいませんでした。 小火木がイメージにぴったりで、いかにも今風のアイ…

血塗られた封印の城 第三章(2)

「今朝のアレって、やっぱりあの……」 「間違いないわよ、ほら……あの爪」 朝の教室は、昨晩起った『闇の爪(ナイト・クロー)事件』の話題一色だった。 始業のベルが鳴り終えても女生徒達の話し声が止む事はなく、ヨハネハイムが教壇に立ったのにも気づく様子が…

電波系アイドル

全国の女子高生ファンの皆さーん! メール待ってまーす! 一体、朝から何の騒ぎだこれは……… 朝、校門の先に掛けられていたそれを見て、俺は思わず嘆息する。世間広しといえど、こんな阿呆なことやる奴は俺の周りに一人しか思い当たらない。そしてそいつは、…