ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(89)
少女は今し方聞いた博士の言葉を反芻する。
確か、博士はこう言いましたわね。
錬金学や風水学でも可能だと。
同じ「現象」を起こすのに必ずしも同じ「技術」を用いる必要はなく、それぞれの「法則」に基づいてその振る舞いを生じさせる「理論」を構築する事でそれが可能となる。
つまり――――
そこに至るまでのプロセスやアプローチの違いっていうだけですわ!
例えば、それはアマタニアから隣の都市へ移動するのに、列車に乗るか馬車を使うかというレベルの話。
であれば、魔道学とこれらの学術との違いは何か?
錬金学は物質その物を電子レベルから生命、宇宙、果ては高次元までを研究し、風水学は物理、精神を含む世界を構成する力の流れを究明するものでしたわね。
ということは…………
「物理法則で説明出来るレベルって事ですの?」
『その通りです。けど、そこで一つだけ疑問視する箇所がありませんかぁ?』
「それは…………」と、一瞬口ごもるマリーナ。
だがその直後、彼女の脳裏に一つの「魔道文字」が閃いた。
それは古い言葉で『真理』という意味を持つ言葉。
「あっ、最初の傀儡巨兵(ゴーレム)……」
口に出してから、ユノが『パパ』と呼んだあの砂の巨人を思い浮かべる彼女。
『ようやく、及第点ってとこですかねぇ』
マリーナがその解答を導き出した時、初めて魔道博士たる少女の口から満足そうな声が漏れた。
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