キノコのスープとちいさなふくろ

 おひさまポカポカ、あったかい。
 おひるは、もりのまるたごや。あつあつキノコのクリームスープ。

「おまえ、にしのあくまをたいじするといったな?」
 ショコさんが、スープをつっつくぼくをみて、おもしろそうにそういった。
 ぼくはコクコクうなずいて、はふはふスープをおクチにいれる。
 ホクホクのクリームスープがおクチのなかにひろがって、やけるようにあつかった。
「んー、んー!」
「ほれ、みず」
 ショコさんにわたされて、ぼくはゴクゴクみずをのむ。
「まったくモカのヤツ、こんなこどもにまでおんなじことをさせているのか」
 ショコさんは、あきれたようにそういうと、ぼくのあたまをナデナデする。
 あれ?
 いまショコさん、おかしなことをいってたような。
「まあ、わたしもたどってきたみちだ。おまえもモカのでしだというのなら、あんなヤツくらいひとりでたいじできるだろう」
 カラカラと、ショコさんがわらっていう。
「とはいっても、いまのままではやられるだけだから……そうだ、わたしがいいことをおしえてやろう」
「いいこと?」
「そうだ。おまえ、あくまにあったらコイツをなげてやれ」
 そういってショコさんがくれたのは、なにかのじゅもんがかいてあるちいさなふくろ
 ふくろのクチは、ヒモでしっかりむすんであった。
「そいつをヤツになげるまで、けっしてみてはいけないぞ」
「もしみたら?」
「さあ、どうなるかな? くっくっく……」
 ショコさん、すっごくコワいかお。
 ぼくはコクコクうなずいて、ふくろをポッケにしまいこむ。
「あしたあさひがのぼるときにしゅっぱつするから、じゅんびしておけ」
 ニヤニヤとショコさんわらって、ぼくのあたまをクシャクシャなでた。

 そのひのよるは、まんまるのおつきさまがとってもあおくひかってた。
「あしたははやいから、そろそろねておけ」
 ショコさんはそういって、ぼくにおちゃをそそいでくれた。
「おクスリみたいなにおいがする」
「わたしのいれたヤクトウだ。コレをのんでねれば、あしたのあさはシッカリめがさめるぞ」
 そういわれて、ぼくはシブシブのんでみた。
「あ、おいしい」
「だろ、わたしがいれたのだ。マズいといってたら、いまごろおまえはこやのそとだったぞ?」
 とびっきりのえがおで、ショコさんがいった。
 やっぱりこのひと、モカせんせいとそっくりだ。
「ご、ごちそうさまでした」
 ぼくはヤクトウをいっきにのみほすと、いそいそねぶくろにくるまった。
「おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
 ショコさんはそういって、ぼくのおデコにチューをする。

 そのときちいさなおたけびが、やまのほうからとどろいた。

 どもども、皆様お待たせしておりました。約4か月振りのウェハース更新です。
 今回は全て仮名文字だけで書いてみましたが、如何でしょうか?(;^^@)
 次回からは、いよいよ「あくまのやま編」突入予定です。お楽しみに♪(←いつになることやら……orz)

 さる