狂乱家族日記(日日日 著)

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 どもども、さるです。
 さて、今宵の愛読書はこちら――

頼もしいことにこの凶華様は全知全能だぞ!

――そう、ついにあの作品の登場です!
 タイトル:狂乱家族日記
 著者  :日日日(あきら)
 イラスト:x6suke(ぺけろくすけ)
 レーベル:ファミ通文庫<株式会社エンターブレイン>
 ジャンル:SF狂乱家族コメディ(……とでもいうべきかな?w)

祝TVアニメ放映開始記念!

ということで、満を持して日日日の代表作を取り上げてみます。

 あらすじ
 千年くらい前に世界を滅ぼしかけた『閻禍』という存在。
 その『閻禍』が、倒される直前に「千年後に自分の子供が目覚めて世界を滅ぼす」と告げたという。
 大日本帝国超常現象対策局は来るべき日の厄災に備え、『閻禍』のDNAを持つ『閻禍の子供たち』を集めてある作戦を開始する。それは――彼らが家族として共に生活し、あわよくば世界を滅ぼす気をなくさせようとする――『なごやか家族作戦』と呼ばれるものだった。

 主要な登場人物は――
 乱崎凶華(みだれざききょうか)
 自ら「神」と称する唯我独尊のネコミミ黒シッポの「母」二十歳。
 本名はキョウキァ=エアエリアエアという(凰火曰く「偉そうな名前」)。地下帝国シャングリラで「神」として崇め奉られていたが、大日本帝国のエライ人達に出迎えられて「家族作戦」に加担。
 その能力は「携帯電話」といい、他人(複数)の精神や肉体に干渉することができる。まさに何でもありな人外。
 そして、その正体は……。

 乱崎凰火(みだれざきおうか)
 大日本帝国超常現象対策局対策一課行動部隊長の「父」二十七歳。本名同じ。
 政府首相以下エライ人達に見守られる中、重要任務として凶華様と無理やり結婚させられた、狂乱家族の常識人にしてツッコミ役(←主に対凶華様)。
 見た目は温厚メガネ男子だが、凶華様に平和を破られるたびに苦労が絶えず、故に凶華様に対して手厳しい(が愛情はあるらしい?)。少し人情の機微に疎いところあり……。

 乱崎銀夏(みだれざきぎんか)
 『ビルゴ』というBARで働くオカマの「長男」二十三歳。
 本名は黄桜銀一(きざくらぎんいち)。ヤクザの跡取り息子として生まれたが、内面が「女」である自分を親に受け入れてもらえず、反発して家を出る。
 その性癖(?)のため、「長女」から日々調教という名の虐待を受ける。

 乱崎千花(みだれざきちか)
 凶華様の能力により家族入りした「長女」だが、実は……。
 本名は姫宮千子(ひめみやせんこ)。政財界で黒い噂の絶えない鬼の一族「姫宮」の娘。
 子供の頃に銀夏に助けられて以降、彼に想いを寄せている……が、肝心の銀夏がアレで……。
 男らしくなるまで、銀夏を調教するのが日課となってしまっている。

 乱崎優歌(みだれざきゆうか)
「さっぱり」が口癖の「次女」。九歳。
 本名は姫宮零子(ひめみやれいこ)。鬼の一族「姫宮」の娘で、千花の実の妹。
 家族から虐待を受けていた過去を持つ。

 乱崎帝架(みだれざきていか)
「褐色皇帝」と呼ばれる誇り高き血族の生き残りで「次男」。七歳。
 本名はシ……(「壱さつめ」では、まだ明らかになっていなかったため自重w)。
 大日本帝国最西端(アフリカ)の『サバンナ』を代々支配していた百獣の王(つまりライオン)。
 なぜか古風な口調で人語を話す。

 乱崎雹霞(みだれざきひょうか)
 テレビを見るのが好きな「三男」。三歳。
 本名は「黒の十三番」。三年前に『閻禍』の肉片から生み出された陸戦型生物兵器。

 乱崎月香(みだれざきげっか)
 寿司とか高級品しか食べない「三女」。年齢不詳。本名も不明(だが実は……)。
 超常現象対策局対策一課課長が釣り上げた「くらげ」のような謎の生物。
 課長が酔った勢いで鑑定したら、『閻禍』のDNAを持っていたため作戦に加えられる。
 体の色で感情を表現しているようで、「赤」だと怒り、「黄」だと喜びを表すらしい。
 気位が高く、怒ると身体から電撃を発生させる(家族の間では地球外生命体との噂も?)
 ある月の夜に……。

 乱崎家以外にも、苛めて能力者ピエール(凶華様命名)とか、凰火の部下の幼馴染でヤンデレ気味な死神三番とか、平塚雷蝶とか、Drヘルとかゲボックとか、紅茶とか、魔族の女王とか、SYGNUSSとか、強欲王とか……。
 まぁなんか色々出てきますが、多いので割愛させて頂きます(何)

 この物語の醍醐味は、何をとっても凶華様。
 家の前に滑走路作ったり、凶華人民共和国なる国を建国したりと、好き勝手に暴走しまくる凶華様のポテンシャルは尽きることがありません。
 普段から毒舌製造工場の如く、淀みなく暴言暴論を吐きまくる凶華様。
 しかし家族への愛情はあるようで、家族の危機とあらば他の家族を率いて「宴」と称した作戦行動を開始する。
 血の繋がっていない(『閻禍』のDNAで繋がってはいるが)疑似家族であっても絆は本物。
 狂乱の中にある「温かさ」こそ、この物語の本当のテーマなのかもしれません。

 全体的には破天荒コメディですが、ホロっとさせられる一面も実はあったりと中々読み応えがあります。が、やはり基本は凶華様の暴走する御姿を楽しむことですねw

 ちなみにここに出てくる「大日本帝国」とは、日本列島を中心とした大東亜共栄圏もビックリの半ば世界帝国みたいなものらしいです。
(しかし「魔女の生徒会長」でもそうですが、日日日さんは「大日本帝国」が好きなんでしょうか?w)

 ではでは、今宵はこの辺で……

さる